ハーイ!!!キャプテンカルボです。
調子はどですか?
ちなみに、カルボとはタガログ語で「ハゲ」という意味です。

食事介助の際に口を開かない利用者の食事介助は大変難しく、どのようにアプローチすべきかわからないことが多いです。
特に入院中の利用者であれば、病院では食事介助に時間をかけられないこともあり、すぐに「食事は不可能」と判断されてしまいます。
食事を口から食べるということは、ほとんどの人の楽しみあり、生活の質の向上という観点からも大変重要な部分を占めると思います。

今回は、
・認知症で食事の認識ができない
・支持が入らないことで口を開いてくれない
・食事を吐き出してしまう方の介助方法がわからない。

上記3つのポイントがある利用者の介助方法、観察事項、注意事項を解説すると共に3つの困難事例について徹底解説していきたいと思います。

<新人介護職>認知症の種類・症状・対応方法・介護疲れ予防を徹底解説

観察事項

1-1.咀嚼・嚥下はできているか?

基本的なこととして、物をかむことを「咀嚼」といい、飲み込むことを「嚥下」といいます。本当に口は動いているのか?口腔内に食物がたまったままになっていないか?飲み込む際に「咽頭反射」はあるのか?(飲み込んだ際にのどの動きはあるのか?)ということを観察しなければいけません。

1-2.口の中に食物が入ったままになっていないか?

特に、認知症で支持が入らない(声かけを認識できず、伝えたことに対する行動ができない)場合、「飲み込んでくださいね」「噛んでくださいね」と言ったところで、何も反応がないことがほとんどです。
人間誰しも自分の意思やペースがあり、他人のペースで食事をしなければいけない食事介助を好む人はいないと思います。又、昔からの習慣で口の中に物が入っている際は、次々に食事を口の中に入れない習慣の人がある人であれば、口の中に物が入っている時に口を開くとは思いません。
口を開いて下さらない場合は、食物がまだ口の中に入っていることも一つの原因なのです。

1-3・誤嚥はしていないか?

誤嚥には、うまく食塊形成(食物を口の中で食物を唾液と絡ませて丸くすること)ができずに気道に入ってしまうケースと、大きな食物の塊が軌道に入り、軌道をふさいでしまうケースがありますが、窒息をした場合はチアノーゼが出ます。(チアノーゼとは血液中の酸素が不足し、唇や指先、顔などが青紫色に変色してしまうことをいいます。)  ※食塊形成についてはこちら
苦しいということが言えなかったり、誤嚥した際に、咳をして食物を喀出しようとしたり、する場合もあるため、ヒュー音はないか、チアノーゼは出ていないか、肺の音は正常かということを看護師と連携しながら観察、確認する必要があります。

1-4特徴はあるのか?

認知症の方の場合、口を開かない理由がもちろんあります。食事の認識ができない、口の中に物が入ることに対し不安や不快感を感じる、味覚障害、口の中に食事が入ってる状態では口をあこうとしない、スプーンや箸などに痛みを感じる、お腹が空いていないことを訴えられない、など他にもあるとは思いますが、介助をする中ではそれぞれの徳を観察することが大切になってきます。
特徴次第では口を開かないことや、吐き出してしまう理由に対し仮説を立てることができるため、どのような特徴があるのかを観察することが大切です。
※特徴の観察に関しては下記の3つの困難事例にて紹介します。

 

注意事項

2-1.食後の酸素濃度の測定

食塊形成がうまくできずに誤嚥をした場合、自分で気道に入った食物を喀出できない人(自力で出せない人)は食後に酸素濃度が下がることがあるため、誤嚥のリスクがある人や言葉を発せない人に対しては毎食後に酸素濃度を測ることがリスク管理の一つだといえます。

2-2.食事中のむせこみ

喀出できる人の場合ですと、咳をして誤嚥した食物を出そうとするため、咳をしている場合は食事介助を一定の時間止める必要があります。顔色は変色していないか?ヒュー音は聞かれないか?苦しそうではないか?という確認も必ず行う必要があります。

食事介助方法

3-1.固いスプーンは使用しない。

口をあかない利用者の食事介助をする際、職員は時間を気にして食事を職員のペースで口に運んだり、中には無理に入れようとする人も見えますが、それは絶対にやってはいけません。
スプーンが固いことに不安や口に当たった時の痛みに「不安」を感じ、それ以降は口をあいて出さらなくなった利用者もいます。もしもというときのためにもスプーンはシリコン製のものを使用することをお勧めします。
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3-2.口に食物が入っているときは口をあかないことを認識する。

どうしても職員のペースで食事介助をしようとすることも、利用者が口を開いてくれないと感じるポイントです。人には人のペースがあります。
人によるかもしれませんが、自分が利用者の立場であれば、次から次に食物を口に運ばれても、口を開きたいと思いますか?ということです。
基本的には誰であっても、口の中に食事が入っているときは口は開かないものであるということを認識する必要があります。

3-3.口があかないときは水分を含ませる。

口に物が入っていなくても口を開いて下さらないことはあります。又、口に物が入っていても、少し水分を含ませることで、水分が食物をのどに流し込むという嚥下の手助けとなり、口の中から物がなくなったことで、口を再度開いて下さることが多々あります。誤嚥するほど多くの水分を流し込むことは絶対にしないことは前提ですが、水分を含ませることで食物を流し込むことを助けることはかなり効果的です。

3-4.舌下腺、下顎腺を刺激する。

特に食事の途中で口を開かなかくなってしまった際には、舌下腺もしくは下顎腺をマッサージすることで、再度口を開いて下さることがあります。それらをマッサージすることで、再度の咀嚼を促すことができるからです。

舌下腺、下顎腺についてはこちらの引用を参照してください

3つの困難事例

3つの困難事例についてご紹介します。

〇(事例1)

<利用者A>
要介護5で寝たきりの利用者。発語なし。声かけに対する支持は入らず言葉自体認識されていない。入れ歯、自歯共になし。食事形態はミキサー食。水分はとろみを使用。食事介助にはシリコンスプーンを使用。食事時は離床にて行う。

【特徴の観察】
※食物を口の中に入れた後すぐにスプーンを口から出してしまうと、必ず吐き出してしまう。
※口腔内をマッサージすることで咀嚼を始める。
※食事を飲み込んだ後に必ず口を開き「あー」と声を出される。

(介助方法)
①下顎腺をマッサージすることで開口を促す。
シリコンスプーンで水分を口に含ませる。その際に、すぐにスプーンを口から出さず、スプーンを上下左右に動かす。
③利用者Aが口を動かし咀嚼を始める。
④咀嚼後、嚥下される。
⑤「あー」と声を出しながら口を開く。
⑥食事を口に入れる。

(評価)
食事の認識ができない、咀嚼することがわからないということが理由で食物を吐き出してしまうということがポイントだったように思います。すぐにスプーンを抜かず、スプーンを動かすことで食物であることを認識することができ、咀嚼を始めたものと思われます。

上記手順を繰り返すことでどの介護職が対応してもスムーズな食事介助が可能となりました。
リスクマネジメントとしては、シリコンのスプーンを使用することで口腔内を傷つけないようにしたこと、嚥下後の「あー」という声がかすれていたりヒュー音は聞かれないか、きちんと声が出ているかということを観察すると共に、食後の酸素濃度測定を徹底しました。2年間以上もこの方法で誤嚥することなく、施設にて生活されました。

〇(事例2)


<利用者B>
要介護5でほぼ寝たきりの利用者。発語なし。声かけに対する支持は入らず言葉自体認識できていない。入れ歯なし。食事形態はミキサー食。水分はゼリーもしくはとろみを使用。食事は臥床にて行う。食事介助は福祉用具のらくらくごっくんを使用。

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【特徴の観察】
※口の中に食物が入ってる時は絶対に口を開かない。
※水分を含ませることで嚥下を促すことができる。
※下顎腺をマッサージすることで開口される。

(介助方法)
①下顎腺をマッサージすることで開口を促す。
②らくらくごっくんにて水分もしくはミキサー食を一定量含ませ咀嚼を促す。
③咀嚼が止まったっ際は下顎腺をマッサージする、もしくは少量の水分を追加して含ませることで再度の咀嚼を促す。
④嚥下を確認後、再度水分もしくはミキサー食を一定含ませる。

(評価)
困難事例1同様、食事の認識や咀嚼方法がわからないため、アプローチとしては下顎腺マッサージ、水分の追加で咀嚼を促すことができ、嚥下につなげることができたように思います。

口が小さく、ベッド上ででギャッジアップを行った上での介助で、顎が下がり気味だったため、福祉用具を使用しました。以前から口に食物が入っている時は絶対に口を開かなかないという特徴がありましたが、水分を少し含ませることが嚥下を促すことにつながったように思います。

〇(事例3)

<利用者C>
要介護5でほぼ寝たきりではないが常時車いす上で生活される利用者。発語はあるも頻繁な独語のみ。声かけに対する支持は入らず言葉自体認識もできていない。入れ歯なし。食事形態はミキサー食。水分ははとろみを使用。食事は離床にて行う。シリコンスプーンと福祉用具のらくらくごっくんを併用して使用。

【特徴の観察】
※開口と介助のタイミングが合わず、スプーンが唇に当たってしまうことで痛みを感じ、食事を吐き出してしまう。(気分次第で吐き出すこともあり。)
※声掛けは認識できていない様子だが、職員が「あー」と声を出すと、本人もそれにつられて「あー」といわれることが時々ある。
※不安を感じなければ、次の開口がスムーズにいくことがある。
※咀嚼ができていたため、本人に不安さえ与えなければ、らくらくごっくんを使用しながら追加で水分を含ませることができる。

(介助方法)
①おしぼりで口の周りをやさしく拭き、「あー」という声をかける。
②口を開かれた際には、スプーンが唇に当たらないよう配慮し、ゆっくり口の中に食物を入れる。
③口を開かない際には再度おしぼりで口周りを吹くと共に、「あー」という声をかける。
④どうしても口を開かない際は口角部かららくらくごっくんのノズルをゆっくり差し込み、少しずつ水分を流すことで咀嚼を促す。
⑤飲み込みを確認したら再度①~④を繰り返す。

(評価)
この方は、不安を感じた際は絶対に口を開かないと共に、容赦なく食べ物を吐き出す方でした。「痛い」「怖い」という感覚を持ってしまえば食事どころではないといったことなのでしょう。いかに不安を感じず、快適に口の中に食物を入れるかがこの方の食事介助をする上での一番のポイントだったように思います。

柔らかいシリコンスプーンとらくらくごっくんを併用して使用することがこの方にとっての不安を軽減できる方法でした。

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まとめ

食事介助は命に直結する事故につながる最も危険な介助でもあります。
ですが、人間食べなければ死んでしまうのも事実ですし、最初に述べたように口から物を食べることはほとんどの人にとっての楽しみなのです。
だからこそ、食事介助を安全に行うための観察による特徴の把握とリスク管理に基づいたそれぞれの利用者にあった介助方法を見出すことが大切です。
福祉用具の無駄な使用を進めるわけではありませんが、利用者が口から物を食べるためには福祉用具を的確に使用することも介護職が持つべき大切な技術のひとつです。

口をあかない=食べないではありません。
誤嚥をしたり苦しい思いをしてまで、口から物を食べることは利用者にとって不利益ですが、口を開かないから食べれないと容易に判断してしまうことも利用者にとっては不利益なことです。

できること(特徴を最大限に観察することで利用者が口腔摂取ができる可能性を見出す)を精いっぱい行うことで利用者の生活の質を向上させることができるということを意識して、結果につなげていくことこそが介護のプロとしての役割であり介護職の強みであると思います。

事例は事例にすぎないかもしれませんが、参考になれば幸いです。

それでは良い1日を!!!

 

 

 

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