ハーイ!!!キャプテンカルボです。
調子はどうですか?
ちなみにカルボとはタガログ語で「ハゲ」という意味です。

特別養護老人ホームやグループホーム、ショートステイといった施設に短期ないしは長期間入所する利用者の中では帰宅願望が頻回に聞かれることがあります。
ADLの状況は様々ですが、家に帰るための出口を探して歩き回られたり、ご自分でエレベーターに乗ろうとして常にエレベーターに前にいたり、職員の声かけに納得できずにイラつかれ、時に暴言や暴力行為に発展してしまうことがあります。
そんな帰宅願望がある認知症の高齢者に施設の職員としては対応がわからずに困ったり、ADLによっては転倒などの事故につながってしまうため目が離せないなど、他の利用者の介護をする中、ずっとその方だけを対応することもできず悩みの種になることもあります。
今回は認知症高齢者の行動・心理症状の一つである帰宅願望が落ち着く対応方法(見当識障害などはあるものの、会話能力はある方達が対象)やなくなるタイミングはいつ?について解説していきたいと思います。

<新人介護職>認知症の種類・症状・対応方法・介護疲れ予防を徹底解説

帰宅願望の訴えがはじまる原因

認知症の状況にも、入所された経緯にもよりますが、いきなり施設に入所する利用者の場合であればたいていの場合、帰宅願望が聞かれます。

独居生活が難しかったり、同居していても自宅介護が困難であるという理由で、家族が施設入所という選択をした中、「利用者に説明をしている人」、「説明できない理由がある人」、「説明してもなぜ入所が必要なのかを理解できない人」、「説明自体を忘れてしまう人」に多く見られるのも特徴です。

帰宅願望の原因は本人が施設に入所するということを認識していない、もしくは納得していないということが大きなポイントです。

帰宅願望が落ち着く対応方法

①傾聴する。

施設で働くほとんどの介護職員が経験していることなので、わかることとは思いますが、帰宅願望の対応方法としては、まずは本人の「家に帰りたい」という訴えと「なぜここにいるんだという不安」「知らない場所にいるという不安」「家族は何でいないんだという不安」などに共感して話を聴くということです。

基本的に「そうですよね」、「帰りたいですよね」という訴えを肯定する相槌や「今帰りたいんですよね?」というオウム返しをしつつ、「私も帰りたいです」という本人の訴えに理解を示し、「家に帰れないと感じる事は誰であっても不安である」という気持ちに共感することが大切です。

傾聴ですので、「でも」「そうだけど」「わかるけど」「一人で帰るのはダメ」「違う」という言葉を使わないということがポイントです。

傾聴について


②納得のいく声かけを統一する。

日本の認知症ケアの教え方は統一されており、基本的には「納得のいかない事実より、例え嘘でも納得のいく声かけをしましょう」というのが一貫しています。
もちろん「納得する事」=「安心すること」なので、本人が安心するのであればこの方法を徹底することが大事です。

(声かけの例)
「夕方に娘様が迎えに来ることになってますよ」
「今日奥さんが迎えに来るので一緒に帰りましょうね」
「夜になったら帰りましょうね」
「明日まで待っていただけるのであれば、家まで送りますよ」
「娘様から今日だけは泊まらせてほしいとお願いされたんです。」

本人が納得するのであれば、どのような声かけでも構わないですが、職員によって声かけが統一されないと本人が不信感を抱くこともあるため、声かけは必ず統一するということがポイントです。

③できる範囲で家族の協力を得る。

利用者によっては、声かけでは納得されなかったり、日がたつにつれて「帰れないかもしれない」という不安がさら強くなっていく方もみえます。

そのような際は、ご家族の協力が必要不可欠になります。

できる限り面会に来て頂いたり、可能であれば電話にて家族と話す環境を作ったり、手紙を用意してもらうなど、家族の協力を得てその都度本人が納得できるような対応をお願いすることも大切です。

あくまで、できる範囲での協力をお願いするということがポイントです。

④演技をする

演技も時に重要になってきます。
例えば本人が帰るために荷物をまとめている際は手伝うことで、本人が「帰れるんだ」という気持ちを後押ししたり、エレベーターに乗ろうとした際は一緒に乗ることで「ここから出してもらえないんじゃないか」という不安を軽減したり、施設内で職員間の連絡用に使用しているPHSで家族に電話したふりをして職員に電話をし、電話口でその職員に家族のふりをしてもらい「今日中には行けないから、今日だけはそこに泊まってほしい」ということを伝えて頂くなど、本人が納得するするためには時に職員が演技をすることも一つの対応方法ではあります。

演じきれないことで本人が不穏になってしまうだけでなく、本人が不信感を感じてしまいますので、ポイントは演じ切るということです。

⑤本人の認識力を把握・活用する。

本人がどこまで認識できるのかをしっかり把握しておくことも大変重要です。
どうしても家に帰ることができないという状況を本人が納得できるのであれば、それはそれで活用できます。

例えば、歩ける利用者が「今すぐタクシーに乗って帰る」と言ったとしましょう。その方は家族がお金を管理しており手持ちのお金を持っていません。
職員「お金を持っていますか?」
利用者「もってない」
職員「タクシーを呼ぶことはできますが、おそらくのせてもらえないと思うので、ご家族にお金を持ってきてもらうか、次回家族が来るときに一緒に帰ったらどうですか?そのほうがお金もかからないですよね?」
利用者「そうだけど、今すぐ帰りたいんだ」
職員「でしたらご家族に電話して聞いてみますね。」と伝え、上記の③か④の対応につなげます。

「お金がないとタクシーに乗ることができないこと」を本人が認識できているということがポイントです。
すべてのケースにおいて、本人がどこまで認識できるのかを把握したうえで、上記②、③、④の対応につなげていくことが大切です。

他にも声かけや対応方法はいくつもありますが、基本的には上記を継続して行うことが大切になってきます。

帰宅願望がなくなるタイミングはいつ?

帰宅願望が落ち着く対応方法は上記で説明した通り、共感した上で本人が納得(安心する)する声かけや対応を継続することです。

では、帰宅願望がなくなるタイミングはいつでしょう?

ほとんどの方は「帰れないこと」に対し傷ついたり「職員の声かけや対応に納得できずおちこむこと」で認知症が進行した結果、帰宅願望が落ち着きます。

帰宅願望がなくなるのは認知症が進んだ結果ということです。

もちろん「周りとなじみの関係ができ安心したり」「役割を見つけることで生活を受け入れる方」も中にはいますが、そのようなケースは<「本当に稀」であり、ほとんどがその人の場合は>という結果論です。

「急に施設に来て、家に帰れない事実をうけいれらるという人が稀なのであり、役割やなじみの環境が家に帰れない事実を消せるわけではない」ということです。

大変残念ではありますが、繰り返すとほとんどのケースで帰宅願がなくなるタイミングというのは認知症が進んだ時ということです。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は認知症高齢者の帰宅願望についてお話させて頂きました。

帰宅願望に悩まされる介護職の方も多いと思いますし、私も何十人のケースを経験しましたが、9割以上が認知症が進んだ結果、帰宅願望が落ち着きました。

その都度の対応としては、「いかに本人の不安を共感し訴えを傾聴できるか」「納得のいく対応ができるか」にかかってきますし、それを継続しなければ本人から常に目が離せず、最悪本人からの暴力行為やエスケープ、転倒事故などにもつながってしまうことがあります。

本人が納得=安心する、ということを常にイメージしながら対応することが、帰宅願望に対する対応方法です。

もちろん他にも多くの事例や対応方法はあるかとは思いますが、その都度納得する=安心する、ことが大切であるということは変わらないと思います。
少しでも参考になれば幸いです。

それでは良い1日を!!!

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